きっとTRYから5〜6年後

＊
　
「…お帰りなさい、ゼルガディスさん」

「ああ…。随分待たせたな」

「あら、思ったより早かったですよ。
私あと十年はお見合い話を突っぱねる覚悟してたんですから。
だからちょっと拍子抜けかも」

「…そりゃ申し訳ないことで」

「申し訳ないと思うんだったらもう待たせないでくださいね。
ただ待ってるだけの毎日なんてもうごめんです。
何も出来ないってすごくストレス溜まるんだから！」

「ならストレス解消に一発殴ってみるか？」

「いいんですか？手加減できる自信ありませんけど」

「…そんなにか」

「だって朝一番に風呂敷で写真の束かかえて来る大臣から逃げて、
お茶の時間にさりげなく近隣国の王子の話題を振って来る侍女頭から逃げて、
就寝の挨拶と一緒にもらうお小言から逃げて、
逃げて逃げて逃げまくりですよ！
逃げは悪人の専売特許のはずなのに！」

「そりゃあ………、すまなかった」

「だから遠慮なく行かせてもらいます。
さあ、歯ぁ食いしばってください！」


　がしっ！


「ちょっおい！大体どこでそんな言葉覚え…」

「黙ってください、舌噛みますよ！！」

「……っ！」



………。


………………。


………………………とん。




「………アメリア」

「…なんですか」

「解消しなくていいのか」

「…もういいです。
ストレス溜まってたなんて嘘ですから」

「そうか…………。
ってなにっ！？」

「本当は、ただ寂しかっただけです」

「…」

「すっごくすっごく寂しかっただけです」


　
……ぐい。



「ゼルガディスさん…？」

「……少しはマシになったか、その…。
………寂しいの」

「……っ
はい………！」




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「…ゼルガディスさん」

「なんだ」

「顔、赤くなるんですね」

「…はっ？
わ、悪かったな。こういうことは得意としてないんだ！」

「いえそうじゃなくて、ちゃんと赤くなるんですね〜。
照れてもずっと紫だったからなんかヘンな感じです」

「………」

「それに髪の毛刺さるのを気にしないで抱きつけるって良いですね〜」

「………」

「ああ、ぬくぬくです〜。これなら冬でもためらわないで触れますねぇ」

「………」
　
　

ちょっと傷ついた（元）残酷な魔剣士だった。
　　

　
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いやあ長い。
調子のって書いてたらこんな長さに。
ゼルが人間に戻ってアメリアのもとへ帰ったらこんな感じかな、と。
あ、でも5〜6年後だったらアメリアもうちょっと容姿大人っぽくなきゃだな。

岩肌はこれからの季節死活問題ですよね〜（笑）